

| 出品者 | ありー(2022年美術学部卒業) |
| 日 程 | 2025年12月13日(土)~ 2025年12月21日(日) |
| 時 間 | 13:00-19:00 |
| 入場料 | 無料 |
| 会 場 | gallery201 品川区北品川6-2-10 島津山ペアシティ201号室 |
| TEL | 03-3473-5222 |
| 協 賛 | 一般社団法人多摩美術大学校友会 |
| 会員活動助成2025 |
●展覧会のテーマ
この展覧会は言葉や文字をテーマにしている。
世界には無数の言語が存在する。
英語の「A to Z」は、「全て」あるいは「初めから終わりまで」を意味する。
日本語の文字は、アルファベットに対応させられるが、同一ではない。
言語は、私たちの生活に浸透している。キーボードやコードから歴史や経典に至るまで、誰が書き、誰が創ったか―つまり使用された言語体系―は対象そのものの構造に大きく影響する。
日本語の名前は、AからZまでの26文字全てを使用しない。さらにイニシャルのアクセサリーなどは、需要の高い文字のみが用いられるのが一般的である。
それでも、AからZまでのイニシャルを持つ人々が日本に確かに存在する。
悪意なくとも、大きなシステムや枠組みの隙間からこぼれ落ちるアイデンティティは、個人にとってかけがえのない概念である。
現代では、スマートフォンであらゆる言語を翻訳できる。
単純な翻訳は可能だが、原文はその土地の文化・価値観・歴史を含んでいる。
さらに言葉は、個人の経験・背景・人間性を強く反映する。
言語には、致命的な欠陥があることを忘れてはならない。それは、理解する者が必要だということだ。
そして、言語は個人の私有物ではない。
”誰かの”言語を使用するにあたって、差別的な背景をもつ言葉に無責任にはなれない。
「自分がひどい目に遭ったから、他人を傷つけても構わない」などという、絶望的なロジックを罷り通らせてはならない。言葉は受け取る側にもまた責任があるからだ。
言語は、世界を記述し得ない。この世界は、合理的であるとは限らない。
異なる言語間に対応する概念が、必ずしも存在するわけではない。
しかし想像力豊かな私たちは、今ここになく、経験したことのないものでさえ、その隙間を埋められるはずだ。
●作品メディア
絵画、インスタレーション
●展示構成
・アルファベットビーズアクセサリー
AからZまでの全イニシャルを網羅したアクセサリー。
・天使の絵、ネズミの絵、食卓の絵、静物画
絵画鑑賞は難しい。具象であれ抽象であれ、図像であるから、その意味は鑑賞者に委ねられる。絵画のモチーフは鑑賞者の背景によって多様な意味を帯びる。絵画の捉えどころのなさは、時に作家の属性に結び付けられ、「女性的」「日本的」といったレッテルに簡単に還元されてしまう。さらにモチーフは単なる象徴としての側面だけではなく、曖昧な概念―食べられるもの、食べられないもの、死んでいるもの、生きているもの―などを内包している。