写真・映像・インスタレーションなどメディアを横断して制作を続けるアーティスト、阪中隆文(さかなか・たかふみ)が、吉祥寺の Art Center Ongoing にて個展を開催します。
今回の展覧会「パ 育児のパロールん」では、自身が育児にかかわるなかで、「言語」を習得していく子どもの様子から着想を得た新作を発表します。
新作である映像作品の中では、阪中自身が、まだ言葉を話せない乳児や幼児に対して無為ともいえる、言語についてのレクチャーを展開しています。言語の習得は、人間同士のコミュニケーションにおいて不可欠であるとされる一方で、様々な事象の認知を限定および分断するおそれもある、という側面に注目し、言語の持つ制約性に迫ります。
本展のタイトルに含まれている「パロール」は、哲学者のソシュールが言語学上の区別として提唱した「ラング」と「パロール」の理論から引用しています。「ラング」が社会で体系化された文法上の規則を指すのに対し、「パロール」は個人の話し言葉による行為を指しています。
自身は美術大学在学中より、社会的空間と身体をコラージュのように結び付け、自分の身体にルールや制約を敷いたパフォーマンスや、写真・映像による表現を続けてきました。今回は、自身の「6 年間の育児へのフィードバック」として、他者との関わりにおいて発生するルールや制約性を着目し、作品への昇華を試みています。
会期中は、本人による展示作品解説イベント「オンゴーイングスクール」(2 月 11 日)や、作家・編集者である川崎昌平氏をゲストに迎えた「トークイベント 喃語と文芸」(2 月 17 日)などを開催します。
ぜひご高覧ください。
出品者阪中 隆⽂(2013年美術学部卒業)
日程2024 年2 月7 日(水)~2024 年2 月18 日(日)
時間12:00~21:00
※水・木・金曜日は16:00~18:00 一時休憩
定休日月曜日・火曜日
入場料400 円(セレクトティー付き)
場所Art Center Ongoing
東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7
WEBArt Center Ongoing 展覧会サイト
阪中隆文WEB サイト
お問合せ先sakanamo@gmail.com
TEL:090-8346-3518

イベント

■オープニングパーティー
日程2 月10 日(土)
時間19:00~
参加費1,000 円(軽食+1Drink+入場料)
■オンゴーイングスクール
日程2 月11 日(日)
時間15:00~
参加費1,000 円(お好きなケーキ+1Drink+入場料)

中高生にもわかる作家本人による展示作品解説

トークイベント 喃語と文芸
日程2 月17 日(土)
時間19:00~
参加費1,000 円(1Drink+入場料)
ゲスト川崎 昌平(作家・編集者)
阪中 隆文(さかなか・たかふみ)/アーティスト
個展
2021 年 「Atopic Search for Atopia」Art Center Ongoing、東京
2020 年 「wandering in atopia」 国際芸術センター青森、青森
2019 年 「スーパープレイ」、Token Art Center、東京
2019 年 「outdoor」 map 前橋”市民”ギャラリー、群馬

1989 年東京都出身。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒業。
写真・映像・インスタレーションなどのメディアで作品を制作。暗渠、ビルの天井裏、床下、古墳、空き地など都市や建築の周縁的領域に着目し、遊びのような行為によってアプローチする。
1964 年の東京オリンピック政策によって埋もれた地下河川でパレードをしたり、古墳の石室に隣接する中学校からテニスボールを打ち込む遊びを子供達と行い、あるいはチャウシェスク政権によって残された巨大な地下構造物に自身の恋愛感情を吐露したりと、社会の変化によって生まれる空白の空間を個々の身体や感情とコラージュのように結びつけている。
また展示空間において自身の身体を用いた徒労のような行為によって、空間と自身と観客の関わり方を変容させるプロジェクトも行う。

X(旧Twitter)アカウント @Takafusakanak