【特集記事】第3回 卒業生の職場訪問 阿部智史さん×吉田圭さん(電通デジタル)vol.4

2024年4月4日

「世の中をちょっと良くする」を模索する、 ふたりが考えるクリエイティビティ。 多摩美OBが活躍する「電通デジタル」を訪問! 阿部智史さん(右)と吉田圭さん(左)とOB訪問に参加された多摩美術大学在学生のお二人(中央)総合デジタルファーム・電通デジタルに在籍し、コンサルティングや新規サービス提案に奔走する多摩美OB阿部智史さんと吉田圭さん。「社会をよりよくしたい」と口を揃えるふたりの対談を全4回で配信。在学時のエピソードから卒業後の進路、そして現在の仕事まで、それぞれの視点から美大生が獲得でき得るキャリアの広がりについて聞かせてくれた。 阿部智史(Satoshi Abe) 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報アートコースを卒業し、レコードショップに勤めたのち、デジタルの世界へ。電通デジタル入社後は、顧客基点によるマーケティングDXの推進業務に従事し、マーケティング戦略策定、組織変革支援などのコンサルティングから、システム導入、アプリ開発といった基盤・施策領域の実行まで、デジタルを活用したビジネス変革を幅広く支援。カスタマーサクセスをテーマに、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を最大化するためのソリューション開発に尽力する。 吉田圭(Kei Yoshida) 多摩美術大学美術学部2部デザイン学科ビジュアルコミュニケーションデザインコース卒業。在学中よりプロダクションでWEBサイトのデザイン・設計・開発業務に従事。2014年より電通イーマーケティングワン(現電通デジタル)に合流し、サイト構築、プロモーション設計、コミュニケーション設計、顧客体験設計など、幅広い業界でプロジェクトの戦略立案、設計などに携わる。事業開発プロジェクトを得意とし、現在は家電ブランドの2030顧客接点の未来を構想するプロジェクトを推進中。 https://youtu.be/L__GCSLXYvg?si=uMim-5zTn2WMfeom 最終回「世の中」のためになりたい。 阿部:僕がクライアント企業の方とお仕事で会話をさせていただくときって、パワポやエクセルで説明することも多いんです。その資料一つとっても、それで関係者の納得をつくったりとか、今までできなかった何か新しいことが見えてきたりとか、今まで問題だったことが何か良くなりそうだと思ってもらえたりしたら、もうそれはクリエイティブなことだと思う。もっというと見積もり。この見積もりは、いい見積もりができた!とか。 吉田:ありますよね、予算でクリエイティビティを発揮すること。そこの予算の掛け方、イケてる!みたいな。これも積み上げ型ロジックじゃないところにあると思うんです。「そこにそんな予算の掛け方するなら、こっちに張ろうよ!」という発案でいいプランができれば、それってクリエイティブですよね。 阿部:目に見える表現だけじゃなく、創造的な活動すべて。何か新しい付加価値が付け加えられたらそれはもうなんでもクリエイティブな仕事なんじゃないかなって思うんです。ご飯作る飲食店の方も、街の本屋さんも、みんなクリエイティブなことをしてる。そんな風なことはいつも世の中に対して感じていたりします。 吉田:すごくわかります! 業界的にいうと、「提案書をつくる」などのビジネスと、表現の意味でのクリエイティブをつくる人を分けたがる人もいるけれど、企画書を書いていること自体クリエイティブな行為なんです! みたいな(笑) 阿部:そういえば僕、広告に疑問を持った背景に、自分のやっていることに自信を持てなくなっていた…ということがあったんです。 吉田:ほう。 阿部:ちょっとアホらしいコメントなんですけれど、「世の中をちょっとでも良くしたい」というのがずっと自分の中にある気持ちのようで。 吉田:「世の中を良くする」というのは、言うは易しな感じもしますが、具体的にはどのようなことなんでしょう。 阿部:世の中のなんだかちょっと詰まってしまっている部分とか、その詰まっていた部分が自分のやっていることで前よりもちょっと“通り”が良くなるとか。そんなことでいいと僕は思っているんです。そういう思いを根底に、企画書一枚にしてもこの企画書が本当にお客さんのためになっているのか、もっと言うと社会のためになるのか、とか。そういうことを常に考えているのだと思います。 吉田:素晴らしいですね。 阿部:お客さんには喜ばれるだろうけれど、世の中にとってあまり良くないことだと思えば提案したくないですし、「世の中をちょっとでも良くしたい」というのは自分の中に軸として常にある。これから違うことにチャレンジするかもしれないし、新しいことをやるかもしれないけれど、このあたりの気持ちだけは大切にしたいと思っています。 吉田:僕も最近「これから」のことを考えました。というのも大きな企業とお仕事をさせていただいていると、社内の事情によって企画が頓挫することも多いんです。僕らの仕事としては成立しても、全然世の中に出ないというようなことが続いて、「自分のやっていることは、世の中のためになっているのか」と悶々としたんです。 阿部:しますよね、それは。 吉田:みっちり時間をかけて考えて、一緒にプランや資料をつくって、新しい取り組みとして成立させるために必死になって。でも、心のどこかで「どうせダメになる」みたいな気持ちがあってしまって。ところがあるとき、いろんな事情を突破してくる人が現れました。その方は僕らが立てたプランすべて社長承認を取り付けてくださり、いままさに実現に向けて動いています。どんなに複雑な事情があっても突破できる人がいる、と感激しました。僕らが一生懸命考えたそのプランで、世の中が元気になってほしい、日本が良くなってほしいって真面目に願っています。 阿部:カッコいいですね、その担当の方。 吉田:キュンとしちゃいましたよ(笑)。そういえば僕、日本をもうちょっとカッコよくしたいとも思っているんです。どうしてそういうことを思ったのかというと、多分日本はまだ本当の意味での「多様」には到達できていないと思っていて。だから、僕は「日本を多様にする、カッコよくする」を自分の抱負にしようとこっそり決めました。 阿部:僕の場合、「世の中を良くする」というのは小さなことでいいと思っています。例えば、このアプリがあることで今まで30分かかっていたことが15分でできるようになりました、とか。それって、世の中の規模からしたら、たいしたことじゃないかもしれない。たかだか15分かもしれない。けれど、それでも僕は「役に立っている」と感じられたりする。 吉田:そういうことに確信が持てないと、なんでやっているのかという気持ちに呑まれてしまいますよね。阿部さんの「世の中を良くしたい」じゃないですけれど、ぶれながらも、軌道を修正しながらも僕も結局そこに辿り着いているような気がします。 阿部:ここまで聞いてくれた学生のふたり、質問ありますか? 学生:学生の僕らとおふたりの一番の違いって、クライアントのためのものづくりであることかなと思っていますが、複数の人と協力してつくることの楽しさって何ですか? 阿部:やっぱり2人だから、5人だから、10人だからできることがあるのが面白い。自分じゃ思いつかないことを誰かが言ってくれることで、何か突破できるようなアイデアになったり、自分の技術だとどうしてもこれ以上は組み立てられないけれど、この人の技術があればそれが実現できるということがあったり。シンプルに一人でできることって限られていますからね。 吉田:これ、アフリカの諺らしいんですけれど『速くいきたければ一人でいけ、遠くにいきたければみんなで行け』という言葉があるらしいんです。自分が知っている範疇の仕事だったら自分がやるのがどうひっくり返っても一番速い。でも、そこじゃない何かに到達したいからみんなでやるんですよね。 学生:すべてがあまりに新しくてまだ頭の中を整理し切れていませんが、お二人はさまざまなことをちゃんと経験され、求められる前に多くのことに触れているから、求められたときにアジャストしていけるのだと思いました。参加させていただいて、とても良かったです。 吉田:まさに「勉強をしたほうがいい」というのはそういうことです。求められないことって基本しんどいことだと思うから。自分がやりたいこと、できることをアップデートするには勉強しなくちゃいけないのだと思います。 阿部:勉強するって何かと言うと、本を読むだけじゃなくて、いろいろな人と話してみることもそう。僕らの頃より今の方が確実に選択の幅がたくさんあると思うから、うちなる自分の言葉や気持ちにちょっとわがままになりながら、自由にたくさんチャレンジして失敗するのがいいなと思いますよ。 vol.1〜「紆余曲折。」はこちら vol.2 〜「デジタルの世界へ。」はこちら vol.3〜「それぞれのテーマとふたりのクリエイティビティ考察。」はこちら

【特集記事】第3回 卒業生の職場訪問 阿部智史さん×吉田圭さん(電通デジタル)vol.3

2024年3月29日

「世の中をちょっと良くする」を模索する、 ふたりが考えるクリエイティビティ。 多摩美OBが活躍する「電通デジタル」を訪問! 阿部智史さん(左)と吉田圭さん(右)総合デジタルファーム・電通デジタルに在籍し、コンサルティングや新規サービス提案に奔走する多摩美OB阿部智史さんと吉田圭さん。「社会をよりよくしたい」と口を揃えるふたりの対談を全4回で配信。在学時のエピソードから卒業後の進路、そして現在の仕事まで、それぞれの視点から美大生が獲得でき得るキャリアの広がりについて聞かせてくれた。 阿部智史(Satoshi Abe) 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報アートコースを卒業し、レコードショップに勤めたのち、デジタルの世界へ。電通デジタル入社後は、顧客基点によるマーケティングDXの推進業務に従事し、マーケティング戦略策定、組織変革支援などのコンサルティングから、システム導入、アプリ開発といった基盤・施策領域の実行まで、デジタルを活用したビジネス変革を幅広く支援。カスタマーサクセスをテーマに、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を最大化するためのソリューション開発に尽力する。 吉田圭(Kei Yoshida) 多摩美術大学美術学部2部デザイン学科ビジュアルコミュニケーションデザインコース卒業。在学中よりプロダクションでWEBサイトのデザイン・設計・開発業務に従事。2014年より電通イーマーケティングワン(現電通デジタル)に合流し、サイト構築、プロモーション設計、コミュニケーション設計、顧客体験設計など、幅広い業界でプロジェクトの戦略立案、設計などに携わる。事業開発プロジェクトを得意とし、現在は家電ブランドの2030顧客接点の未来を構想するプロジェクトを推進中。 https://youtu.be/L__GCSLXYvg?si=uMim-5zTn2WMfeom それぞれのテーマとふたりのクリエイティビティ考察。 阿部:僕は今、企業の課題をコンサルテーションして解決していくお仕事をしていますが、「売らないで、どうビジネスを成長させるか」というのを実はテーマとしているんです。 吉田:「売る」ことだけが企業成長ではない、と。 阿部:そうです。少子高齢化や経済の低迷など日本の市場は確実にシュリンクしていて、モノはどんどん売れなくなって行くわけです。そんな中で、新しいものばかりではなく、ずっと使い続けてもらうことを考えるとか、もっと好きになってもらうことを考えるとか。マーケティングや広告ではないカタチで生活者と企業の一助になるような仕事ができるのが、「電通デジタル」のいいところだとも思っています。 吉田:僕はデジタル以外の業界を検討しながら結局またデジタル業界に戻ってきたわけですが、ホームページやメールマーケティングなどのお仕事を経て、今は企業の新規事業をつくるというのを主に担当させてもらっています。新しいものとか、サービスとかもともと大好きでしたから、やりがいがありますね。 阿部:デジタルの世界、吉田さんにもめちゃめちゃフィットしているということですね。 吉田:僕、役に立っているかな?と思う瞬間は、サービスを考えた際に、おおよその外観を瞬時に描けることかな、と思っていて。こういう仕組みには何が必要で、そうなるとどんなリソースが必要とか。そういうのって、ホームページやWEBを設計してきた前職までの経験がとても活きていると感じています。 阿部:組織内でも最終のアウトプットイメージを瞬時に描ける人は希少かもしれません。 吉田:新しいモノをつくる時って、すでに「答え」があるものに向き合っていたら遅れてしまうと思っているんです。例えばオンラインショップでいえば、その一つの「答え」ってAmazonですよね。だから今からAmazonを真似しても勝ち目がない。特にコロナ禍以降はそのスピードが加速していると感じていて。 阿部:確かに。 吉田:昔はそのスピードがもっと緩やかだったので、模倣が通用していたと思うんです。けれど、世の中のスピードが変わったからには、事例があるところに向かってもダメだと考えています。そのときに、美大や予備校時代に身につけた「答え」がないモノに向き合って思考する姿勢がとても役に立っている。それと、「答え」が一つではないところに向かって考えること、僕はそれ自体がすごく好きみたいですね。 阿部:世の中に「答え」ってないですからね。たぶん、正解もないと思う。 吉田:コンサルの領域だと「答え」は求められませんか? 阿部:そうですね、めちゃくちゃ求められます。だから左脳的にロジックを整理して、どこから見ても非のないようにきちんと組み立てることをまずはやる。なんですけれど、それだけだと誰かほかの人が考えた時にも同じようなものが出来上がってしまう。要するに、正解だけをつくろうとすると、みんな同じところに行き着いてしまうんです。 吉田:「答え」や「正解」は、求められがちになりますからね。 阿部:だから僕はそこにちょっと右脳的な要素を加える。「美しい」ってどういうことだっけ?とか、人の心を動かすためには、何が必要なんだったっけ?とか。抽象的だけど、絶対“みんなの中にあるだろう”ということを考えて加えるようにしています。というか、美大の頃に鍛えられて、感覚的に自分の中に根付いているのかもしれません。 吉田:いわゆるコンサルティング的に考える方たちはロジカルに思考を積み上げていって、「正解」を求めることをされているように思います。けれど、そもそも「答え」が一つではないことはクリエイティブ的な前提ラインでもあると思う。例えば、最終形を決めてからロジックを組み立てるとか、両面性もあると思っています。 阿部:僕は「阿部の考えることってロジックだけじゃない。ちょっと柔らかいところとか、言語化しにくい気持ちの部分に取り組んでくれるところがいいな」と思ってもらえるようなことを価値として付け加えていける人でありたいと思っています。 吉田:だからこそ阿部さんは特殊なポジションになるんですよね。左脳だけで整理する人ではない価値を出せる人。 阿部:僕なんかがおこがましいのですが(笑) 吉田:「クリエイティブってなんだろう」と考えたときにも、やっぱり答えが一つじゃないことを見出すことが原点にあるのかな、と僕は思っていて。おそらくその「クリエイティブの良さ」みたいなものを言語化(説明)できないことなのかなと思います。 阿部:説明できない何か、というのはあるかもしれないですね。 吉田:そうですね。例えば「めちゃめちゃイケているコピーが、なんでイケてるのか。」というのって、ある一定のロジックは組み立てることができても、完全には解説できないかもしれないし、「再現性があるか」といえば、おそらく難しい。 阿部:クリエイティブなことって必ずしも表現とか意匠とかに限らなくて、そうではないものも僕はクリエイティブだなと思っているんです。 vol.1〜「紆余曲折。」はこちら vol.2 〜「デジタルの世界へ。」はこちら vol.4 〜 「最終回「世の中」のためになりたい。」はこちら

べかたろう『たべものなんだ』出版のお知らせ

2024年3月28日
#出版

書籍名たべものなんだ著者べかたろう(2015年美術学部卒 他)発行元株式会社KADOKAWA定価1,320円(本体1,200円+税)判型165×165mm/角丸製本総頁24頁ISBN978-4-04-606854-5発売日2024年3月21日(木)WEBKADOKAWA(販売サイト) ■ 概要べかたろうの「本物で感じるたべもの絵本」シリーズ第3弾!【0才から5才】 ★デビュー作『どんなかお?』第16回MOE絵本屋さん大賞2023 ファーストブック賞 TOP20入選★第1弾『どんなかお?』第2弾『かえましてん』、乳幼児向け子ども番組『シナぷしゅ』(テレビ東京系列)にて放送 これなんだ? いちごのおうち?はなれてみたら……ホットケーキ!思わぬ姿にビックリドッキリ。見た目が変わると、お名前も変わるね!お料理の発見といっしょに柔らかい頭も育つ写真絵本。 ★やわらか脳や食育にぴったり★「豊かな感性を伸ばす格好の絵本」汐見稔幸(東京大学名誉教授) 「食べてみたい!が沸いてくる」長谷川あかり(料理家・管理栄養士) ■ 著者プロフィールべかたろう“「食」への関心、新しい視点の発見”をテーマに、たべものを使ってイメージを見立て表現する4人グループ。近著は『どんな かお?』『かえましてん』。メンバーは広告業界に従事する、ムービーディレクターの白玖欣宏(OTAMIRAMS)、フォトグラファーの近藤恵佑、フードコーディネーターの瀬元聖央、フォトレタッチャーの谷山香織。食材の新しい視点を考える「“食”写真絵本」、親子向けの「“食”ワークショップ」など日々制作&活動中。Instagram: @bekataroX: @bekataro

大橋 玄さん「第62回 富士フイルムフォトコンテスト」優秀賞受賞

2024年3月27日
#展覧会 #受賞

本学卒業生の大橋玄さんが、「第62回 富士フイルムフォトコンテスト」 の組写真部門で、優秀賞を受賞されました。おめでとうございます!作品は入賞作品発表展で全国4都市で展示されます。 受賞者大橋 玄(2001年美術学部卒業)受賞「第62回 富士フイルムフォトコンテスト」 組写真部門 優秀賞WEBFUJIFILM HP 会場富士フイルムフォトサロン 東京東京東京都港区赤坂9-7-3 フジフイルムスクエア内会期2024年4月12日(金)~2024年4月24日(水)[全部門一斉展示]10:00~19:00 (入館は終了10分前まで)/最終日16:00まで 会場富士フイルムフォトサロン 大阪大阪府大阪市中央区本町2-5-7 メットライフ本町スクエア1F会期2024年5月10日(金)~2024年5月16日(木)[全部門一斉展示]10:00~19:00 (入館は終了10分前まで)/最終日14:00まで 会場富士フイルムフォトサロン 札幌北海道札幌市中央区大通西6-1 富士フイルム札幌ビル1F会期2024年6月28日(金)~2024年7月3日(水)[自由写真部門・組写真部門]10:00~18:00 (入館は終了10分前まで)/木曜 休館※ 6月29日(土)は13:00~18:00 会場富士フイルムフォトサロン 名古屋愛知県名古屋市中区栄1-12-17 富士フイルム名古屋ビル1F会期2024年7月26日(金)~2024年8月1日(木)[自由写真部門・組写真部門]10:00~18:00 (入館は終了10分前まで)最終日は10:00~14:00

テックやしろ参上!屋代敏博回帰

2024年3月25日
#展覧会

大学を卒業し、日本橋ツァイト・フォト・サロンでの初めての個展から28年。銭湯シリーズから始まった私の写真家としての活動は、時を経て、この度美術家テックやしろとして場を広げ、ここツァイト・フォト国立に戻って参りました。 28年前、創業者である故石原悦郎氏からの「君の作品はユーモアがあって笑っている。これからも作り続けなさい」という言葉が、写真家としての道を進む決意を確固たるものにしてくれました。 アートが先駆けとなり、時代が追随してくる。私にとって本展覧会は原点回帰の舞台であり、出発点でもあります。新たな視点から作り出した新作を展示致します。 会期中にはライブパフォーマンスやワークショップなど体感して頂ける機会もございます。皆様のご来廊を心よりお待ちしております。 出品者屋代 敏博(1994年美術学部二部卒業)日程2024年3月16日(土)~  2024年4月27日(土)時間金曜日/15:00~20:00土曜日/11:00~18:00※火・水・木曜日はアポイントメントのみ場所ZEIT -FOTO Kunitachi東京都国立市中2-22-33WEBテックやしろ、参上! 屋代敏博回帰お問合せ先 TEL:042-505-8838 関連イベント ■「回転回 LIVE!」in  ZEIT -FOTO Kunitachi 日程3月30日(土)時間14:00~              ■「回転回 LIVE!」in 銀座 蔦屋書店日程3月31日(日)時間14:00~             イベント詳細はこちら 屋代敏博公式ホームページはこちら

【特集記事】第3回 卒業生の職場訪問 阿部智史さん×吉田圭さん(電通デジタル)vol.2

2024年3月22日

「世の中をちょっと良くする」を模索する、 ふたりが考えるクリエイティビティ。 多摩美OBが活躍する「電通デジタル」を訪問! 総合デジタルファーム・電通デジタルに在籍し、コンサルティングや新規サービス提案に奔走する多摩美OB阿部智史さんと吉田圭さん。「社会をよりよくしたい」と口を揃えるふたりの対談を全4回で配信。在学時のエピソードから卒業後の進路、そして現在の仕事まで、それぞれの視点から美大生が獲得でき得るキャリアの広がりについて聞かせてくれた。 阿部智史(Satoshi Abe) 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報アートコースを卒業し、レコードショップに勤めたのち、デジタルの世界へ。電通デジタル入社後は、顧客基点によるマーケティングDXの推進業務に従事し、マーケティング戦略策定、組織変革支援などのコンサルティングから、システム導入、アプリ開発といった基盤・施策領域の実行まで、デジタルを活用したビジネス変革を幅広く支援。カスタマーサクセスをテーマに、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を最大化するためのソリューション開発に尽力する。 吉田圭(Kei Yoshida) 多摩美術大学美術学部2部デザイン学科ビジュアルコミュニケーションデザインコース卒業。在学中よりプロダクションでWEBサイトのデザイン・設計・開発業務に従事。2014年より電通イーマーケティングワン(現電通デジタル)に合流し、サイト構築、プロモーション設計、コミュニケーション設計、顧客体験設計など、幅広い業界でプロジェクトの戦略立案、設計などに携わる。事業開発プロジェクトを得意とし、現在は家電ブランドの2030顧客接点の未来を構想するプロジェクトを推進中。 https://youtu.be/L__GCSLXYvg?si=uMim-5zTn2WMfeom デジタルの世界へ。 阿部:レコード屋が廃業して、25を過ぎて、初めて社会でやっていくために何かできるようにならなきゃと焦るようになりました。 吉田:僕にも転機のようなものがありました。それが28歳。僕は大学4年生の頃から毎年自分の誕生日パーティーを1年がかりで企画して、100名くらい招待して、場所を借りて、印刷物を手配して、盛大に行っていたんです。でも5回目を迎えた28歳のときにふと「このまま30になるのはマズイ」と思って。テレビ業界やイベント業界に興味があったので就活して回ってみましたが、実績がないので全部ダメでした(笑) 阿部智史さん(左)と吉田圭さん(右) 阿部:僕はレコード屋のあとデジタルを中心にしたプロダクションに丁稚奉公みたいな感じで入りました。デザインも、撮影も、ライティングもすべて見よう見まね。プロデューサー業、ディレクター業、とにかくなんでもやりました。そうしているうちに、せっかく自分が美大で学んだ“ものの見方”をもっと活かして、世の中のためになる、創造的な仕事をしたいと思うようになりました。 吉田:僕は転職エージェントに相談に行きましたね。すると、学生時代のプロダクション時代の経験が活かせそうだと教えてくれて、デジタル系の小さなベンチャーに面接へ行きました。そしたら面接20分で即採用。その社長の決断のスピードに惚れてしまって、デジタルの世界に入ったわけです。 阿部:それまでデジタルに興味があったわけではないんですね。 吉田:覚えているのが入社初期のこと。唐突に打ち合わせに連れて行かれて、偉い人と会食をして、プレゼンに同席して、いきなり資料を作成しといてと言われて。さらに翌週は唐突に一人で打ち合わせ。その仕事、受注したんですよ。「吉田くんすごいね」と社長にも言われて。もう、アドレナリンどばーって感じです。 阿部:適性があったということだ。 吉田:そこからは自分のキャパシティと仕事のバランスが取れない程に案件を詰め込みました。仕事していることが楽しかった。たぶん、求められるのが嬉しかったんでしょうね。それまで就職もせずにふらふらしていましたから、自分に頼み事をされるという経験も少なかった。次の仕事、次の仕事ってどんどん求めてもらえることが嬉しかったのだと思います。 阿部:結局僕らふたりとも、美大の学びに救われていますね。僕は電通デジタルに就職するまでに3回転職をしていますが、突き詰めていくと、表現とかデザインとかクリエイティブとかっていうのは、表面に出てくる意匠やデザインだけではないと感じていて。 吉田:そう。それ以外のところでデザインするということが面白いという気づきがありました。 阿部:僕、いわゆる広告業というようなところにも身を置いていたことがあるんですが、広告って少し虚しいな、と思ったような時期もあって。 吉田:僕らは広告屋でもありますが(笑) 阿部:というのも、広告ってやはりすごくお金がかかるんです。CMもグラフィックも、めちゃくちゃお金をかけて、もちろん経済を動かすために必要だし、多くの人を感動させる事もできるんです。でも、なんかこう、寂しさみたいな感覚が抜けなくなってしまって、一度打ちひしがれたことがあるんです。 吉田:ははは。阿部さんはどうして電通デジタルにきたんでしょうね。 阿部:入社のきっかけは人との出会いです。広告以外のところで、自分のやってきたことや、やれることを活かして何かできないかと思っていた時に、電通デジタルの上司になる人に出会いました。そのときにその人、「これから電通はモノを売る会社じゃなくなる」と言われたんです。 吉田:ほう。 阿部:「電通」といえば徹底的にモノを売るための会社というイメージがありました。失礼ながらそう思っていたその会社の偉い人が「これからはモノを売るという時代が終わる」「電通はそういう会社じゃなくなる」と言ってるんです。それ、なんかすげー面白いと思って。 吉田:「売ることだけを考えてきた会社」のイメージだったわけですからね(笑) 阿部:これからこの会社はどうなるんだろう、とワクワクしました。それと、この人たちと一緒に働きたいと思いましたね。 吉田:実際、今阿部さんがされているお仕事って、モノを売らないですものね。 阿部:吉田さんの場合は? 吉田:自分で言うのもアレですが、僕、前の職場でエースだったんですよ。会社の売上の大きな部分に自分が関わっているみたいな。今思えば井の中の蛙ですよ、はずかしい。なんとなく次のステップを探したいと思いはじめ、電通デジタルに面接に来たんです。そしたら、めっちゃ話が合うというか。こんなに話が合って、優秀な方がいる環境で働きたい、と思って入社を決めました。 vol.3 〜「それぞれのテーマとふたりのクリエイティビティ考察。」はこちら vol.1〜「紆余曲折。」はこちら

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