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第5回ヴェロン會

2024年2月22日
#展覧会

出品者井上樹里(2008年修士課程修了)日程2024年3月9日(土)〜2024年3月17日(日)時間9:00〜17:00休館日月曜日場所一宮市三岸節子記念美術館愛知県一宮市小信中島郷南3147−1問合せ03-3571-3331(平日11:00〜18:00)WEB第5回ヴェロン會 【講演会】予約不要 【作家によるギャラリートーク①】日程2024年3月9日(土) 時間14:00〜15:30井上樹里(2008年修士課程修了)、ほか 【作家によるギャラリートーク②】日程2024年3月10日(日) 時間14:00〜15:30 【節子と黄太郎、ヴェロンでの生活】日程2024年3月10日(日)時間16:00〜16:30 フランス・ブルゴーニュ地方のヴェロン村に、文化功労者・三岸節子(1905−1999)と息子・黄太郎(1930−2009)のアトリエがあります。近年そこに画家たちが滞在し、現地のその全てを体感し、絵画制作への道標としています。「ヴェロン會」はその成果を問う場として2013年に結成。現在は17名の同人と1名の招待作家によって、毎年の高輪画廊での発表と、隔年の一宮市三岸節子記念美術館での展覧を軸に活動を続けています。また2023年8月には2回目となるヴェロン村での展覧会を開きました。初日のパーティーではジャン・ピエール村長、代表・三岸太郎と同人を始め、ヴェロン村の方々、パリや日本からも大勢ご来場いただき交流を深めました。地元の人たちの支えもあり、展覧会は好評のうちに幕を閉じました。この成果を発表すべく今春の三岸節子記念美術館での展覧会では大作を含むひとり4-5点の作品を発表いたします。今年度招待作家は三岸節子と同じ女子美でご縁を繋いだ佐野ぬい氏にご依頼し、同人一同楽しみにしておりましたが、2023年8月にご逝去されました。ご遺族のご理解を賜りまして本展にもご出品頂く予定です。皆様にご高覧頂きたく、ご案内申し上げます。三岸太郎(ヴェロン會代表)

松岡友追悼展「不可視の存在の捉え方」

2024年2月19日
#展覧会

出品者松岡友(2007年美術学部卒業)日程2024年3月1日(金)~2024年3月13日(水)時間12:00~20:00(水曜日は17:00まで)休廊日木曜日場所新宿眼科画廊(スペースM、S、E)東京都新宿区新宿5-18-11WEB松岡友追悼展「不可視の存在の捉え方」 本展示は2021年3月6日に不慮の事故で他界した松岡友の追悼展示である。松岡友は生前、美術作家として活動を行う上で、単に「美術作家」と名乗ったことはない。ある時は「魔術系オカルト美術作家」、ある時は「美術作家・霊媒師」という風に、そこに《 不可視の存在》への強い関心が常にあった。松岡友は多摩美術大学の油画専攻で絵画表現を習得、卒業後務めた美術造形の会社で立体作品制作の技術も身につけた作家である。2010年に少女時代に親しんだRPGゲーム「 Final FantasyⅦ」から、更にファンタジーゲームのイメージ源である「西洋錬金術」「西洋魔術」的世界観を『黄金の夜明け』(江口之隆:著)、『世界シンボル辞典』(ジーン・C・クーパー著)などの文献も調べ、そこに個人的な解釈を加えた上で村上隆の「スーパーフラット」以降の現代アート作品として制作する事から本格的に作家活動を開始した。またこの時期に実際に国内の西洋魔術実践者のイベントを訪れ面識を得た後、その元で儀式魔術の手解きも受け始めた。その後、2012年には密閉された容器の中で覚醒と睡眠をコントロールする「フローティングタンク」の体験を得て、《「稲荷の神使の狐」の上に 美少年としての松岡友が乗る図像》(松岡友自身はこれを「 バモイドオキ神」後に「アセファル」とも呼んでいた)を感得した。松岡友の関心は更に「西洋魔術」的な範疇を超え、作品の世界観も神道や民間信仰的イメージ、インドネシアの民間信仰のイメージ、密教的図像まで広まっていく。関心の広まりと同時に、上座部仏教系の瞑想である「ヴィパサーナ瞑想」による1週間の無言行の体験、アーティストイン レジデンスで訪れた沖縄での琉球神道のシャーマンであるノロとの出会い、インドネシアのアーティスト イン レジデンスで地元のイスラームの精霊であるジン信仰との出会いetc.文化人類学者がフィールドワークを行った上で論文を執筆するが如く、霊性を高める体験を重ねては制作を行なっていた。今日、19世紀半ばに欧州で発生し19世紀末には世界的な影響となった「神霊主義」(心霊主義/Spiritualism)の人文知的方面からの再考が進んでいる。この「神霊主義」とも関わる「《不可視の存在》という領域と美術の関係」は、西洋美術の正史という枠組みで鑑みても古くは「幻視者」の異名を持つ英国人作家ウィリアム・ブレイク(1757〜1827)や、19世紀の「象徴主義」の一角まで遡る事ができる。更に20世紀初頭にはシューレアリスムの偉大な詩人アンドレ・ブルトン(1896~1966)は『魔術的芸術』という著作を残している。国内の近年の現代アート上での展覧会を振り返れば・2012年:「魔術/美術」展(愛知県美術館 監修:中村史子・中西陽子 )・2014年:『The Spiritual World』展(東京都写真美術館 監修:石田哲郎)・2014年:『スサノヲの到来-いのち、いかり、いのり-展(足利市美術館:他 監修:赤松祐樹)・2023年:『顕神の夢-幻視の表現者-』展(岡本太郎美術館:他 監修: 鎌田東二)など各展示のフレーミングは少しずつ異なりながらも《不可視の存在》に関して焦点を当てた美術館展示がここ10年で開催されたことを記憶している。生前の松岡友は絵画、彫刻、インスタレーションの制作、国内外のレジデンスプログラム参加のみならず、ライブペインティングや代価現実ゲーム、多様な内容のアートイベント開催など多種多様に渡っており、また単に「美術作家」と名乗ることはなかった。故にどこか“捉えどころのない存在”と思われていたように思う。本展は松岡友の遺作の中から完成度の高い作品を厳選し、先行する識者による近代「神霊主義」再考の文脈、言い換えれば“不可視の存在の捉え方“を踏まえながら、鑑賞者に新たに《優れた現代アート作家としての松岡友の再考》を促す展示である。松岡友追悼展キュレーター平林幸壽(2002年美術学部卒業/仏教現代美術グループS-VA-HA/元:美術作家)

阪中隆文個展「ぱ 育児のパロールん」

2024年2月9日
#展覧会

写真・映像・インスタレーションなどメディアを横断して制作を続けるアーティスト、阪中隆文(さかなか・たかふみ)が、吉祥寺の Art Center Ongoing にて個展を開催します。今回の展覧会「パ 育児のパロールん」では、自身が育児にかかわるなかで、「言語」を習得していく子どもの様子から着想を得た新作を発表します。新作である映像作品の中では、阪中自身が、まだ言葉を話せない乳児や幼児に対して無為ともいえる、言語についてのレクチャーを展開しています。言語の習得は、人間同士のコミュニケーションにおいて不可欠であるとされる一方で、様々な事象の認知を限定および分断するおそれもある、という側面に注目し、言語の持つ制約性に迫ります。本展のタイトルに含まれている「パロール」は、哲学者のソシュールが言語学上の区別として提唱した「ラング」と「パロール」の理論から引用しています。「ラング」が社会で体系化された文法上の規則を指すのに対し、「パロール」は個人の話し言葉による行為を指しています。自身は美術大学在学中より、社会的空間と身体をコラージュのように結び付け、自分の身体にルールや制約を敷いたパフォーマンスや、写真・映像による表現を続けてきました。今回は、自身の「6 年間の育児へのフィードバック」として、他者との関わりにおいて発生するルールや制約性を着目し、作品への昇華を試みています。会期中は、本人による展示作品解説イベント「オンゴーイングスクール」(2 月 11 日)や、作家・編集者である川崎昌平氏をゲストに迎えた「トークイベント 喃語と文芸」(2 月 17 日)などを開催します。ぜひご高覧ください。 出品者阪中 隆⽂(2013年美術学部卒業)日程2024 年2 月7 日(水)~2024 年2 月18 日(日)時間12:00~21:00 ※水・木・金曜日は16:00~18:00 一時休憩定休日月曜日・火曜日入場料400 円(セレクトティー付き)場所Art Center Ongoing東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7WEBArt Center Ongoing 展覧会サイト阪中隆文WEB サイトお問合せ先sakanamo@gmail.com TEL:090-8346-3518 イベント ■オープニングパーティー日程2 月10 日(土)時間19:00~参加費1,000 円(軽食+1Drink+入場料) ■オンゴーイングスクール日程2 月11 日(日)時間15:00~参加費1,000 円(お好きなケーキ+1Drink+入場料) 中高生にもわかる作家本人による展示作品解説 ■トークイベント 喃語と文芸日程2 月17 日(土)時間19:00~参加費1,000 円(1Drink+入場料)ゲスト川崎 昌平(作家・編集者) 阪中 隆文(さかなか・たかふみ)/アーティスト個展2021 年 「Atopic Search for Atopia」Art Center Ongoing、東京2020 年 「wandering in atopia」 国際芸術センター青森、青森2019 年 「スーパープレイ」、Token Art Center、東京2019 年 「outdoor」 map 前橋"市民"ギャラリー、群馬1989 年東京都出身。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒業。写真・映像・インスタレーションなどのメディアで作品を制作。暗渠、ビルの天井裏、床下、古墳、空き地など都市や建築の周縁的領域に着目し、遊びのような行為によってアプローチする。1964 年の東京オリンピック政策によって埋もれた地下河川でパレードをしたり、古墳の石室に隣接する中学校からテニスボールを打ち込む遊びを子供達と行い、あるいはチャウシェスク政権によって残された巨大な地下構造物に自身の恋愛感情を吐露したりと、社会の変化によって生まれる空白の空間を個々の身体や感情とコラージュのように結びつけている。また展示空間において自身の身体を用いた徒労のような行為によって、空間と自身と観客の関わり方を変容させるプロジェクトも行う。X(旧Twitter)アカウント @Takafusakanak