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東京芸術文化相談サポートセンター 「アートノト」10月2日(月)にフルオープン!

2023年9月19日

東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京は、アーティストや芸術文化の担い手の持続的な活動をサポートし、新たな活動につなげていく東京芸術文化相談サポートセンターを10月2日(月)に総合(フル)オープンします。芸術文化の分野では、フリーランスや小規模団体で活躍しているアーティストが多く、書面によらない不明確な契約やハラスメントなどの様々な課題に直面しています。こうした方々の持続的な活動を支えるため、オンラインを中心に、弁護士や税理士といった外部の専門家等と連携しながら、[相談窓口]、[情報提供]、[スクール]の3つの機能によりアーティストや芸術文化の担い手を総合的にサポートしてまいります。 アーティスト活動をされている多摩美術大学卒業生の相談先の一つとして、ぜひご活用ください。 相談窓口「創作活動を行う場所を知りたい」「芸術文化活動の助成金について知りたい」「確定申告の仕方がわからない」など、様々なお悩みやお困りごとの解決に向けてお手伝いする相談窓口を開設します。受付時間:10:00~17:00(土日祝日、年末年始除く)情報提供芸術文化に関するお悩み・お困りごとの解決に役立つ情報等を掲載する公式ウェブサイトを開設します。東京都に加えて国や民間のさまざまな情報を一元的に発信していきます。スクール芸術文化活動の充実に役立つ実務的な知識やスキルの習得を目指した無料のオンライン講座を幅広い層を対象に提供します。既に開講している会計・税務講座、ハラスメント講座等に続き、11月以降にはビジネススキル入門講座、法務講座の開講を予定しています。場所公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京〒102-0073 東京都 千代田区 九段北 4丁目 1-28九段ファーストプレイス5階・8階問合せ相談窓口03-6825-2659  ※10月2日(月)10:00~オープン※ご相談は、公式ウェブサイトの相談フォームまたはお電話により、受け付けます。WEB東京芸術文化相談サポートセンター 「アートノト」 ■総合オープン特別企画  (1)サポートセンター開設にあたってのメッセージ日時10月2日(月)より公式ウェブサイトで公開内容○東京都知事よりサポートセンター開設の挨拶・紹介動画○アーティスト支援に尽力している福井健策弁護士からの応援メッセージ動画○芸術文化分野の幅広い賛同者からの応援メッセージ(テキスト掲載のみ) (2)芸術文化団体の持続的な活動支援講座日時10月25日(水)より公式ウェブサイトで公開内容【講師】山田泰久活動資金に関する情報や持続的な活動に役立つ取組を動画とテキストを使って紹介○助成金の基礎知識○芸術文化分野の助成金情報の紹介○団体運営などの持続的な活動への多様な支援の紹介

アーツカウンシル東京 2023年度スタートアップ助成

2023年9月14日
#公募 #助成金

東京の芸術シーンで活動を展開していこうとする新進の芸術家や芸術団体等がチャレンジする新たな芸術創造活動を助成します。東京都内又は海外で実施される公演、展示、アートプロジェクト、国際フェスティバルへの参加、国際コラボレーション等を対象とし、若い才能が今後の芸術活動への地歩を築くためのスタートアップを後押しします。 申請受付期間第1回 2023年 4月6日(木)~ 4月20日(木)第2回 2023年 7月6日(木)~ 7月20日(木)第3回 2023年10月5日(木)~10月19日(木)第4回 2023年 1月4日(木)~ 1月18日(木)対象事業の実施期間第1回 2023年 7月1日~2024年 3月31日第2回 2023年10月1日~2024年 6月30日第3回 2024年 1月1日~2024年 9月30日第4回 2024年 4月1日~2024年12月31日上限金・個人30万円以内・団体100万円以内※上記範囲内で助成対象経費の100%を支給対象者【東京に居住する個人(芸術家、プロデュ―サー、企画制作者等)】※都内で自ら公開活動を初めて主催してから3年未満、または都内で自ら主催した公開活動の実績5回以内の個人【東京を拠点とする団体】(芸術団体、民間の劇場・アートスペース、実行委員会等)※団体設立から3年未満の団体対象事業【分野】音楽、演劇、舞踏、美術・映像、伝統芸能、複合【実施場所】東京都内又は海外(オンライン公開を含む)【内容】公開を伴う以下のいずれかの事業   ・都内での芸術創造活動(都内で実施する公演・展示・アートプロジェクト等)   ・国際的な芸術創造活動(海外公演・展示、招聘公演・展示、国際コラボレーション、国際フェスティバルへの参加等)WEBアーツカウンシル東京スタートアップ助成お問い合わせ公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京助成係TEL  03-6256-8431(平日10:00-18:00)E-mail startup@artscouncil-tokyo.jp

新進気鋭映像チームHORISHIRO最新作「イエローマーガリン」9月8日から上映!

2023年8月24日

制作映像チームHORISHIRO制作者朱池亮人(2014年 大学院修了)日程2023年9月8日(金)~2023年9月21日(木)場所シモキタ エキマエ シネマK2〒155-0031東京都世田谷区北沢2-21-22 ( tefu ) lounge 2FWEB[イエローマーガリン]公式HP[イエローマーガリン]予告編クラウドファンディング<制作応援プロジェクト>※募集終了ニュースでよく使用されている「◯◯のようなもの」という表現から着想を得た本作は2023年9月8日(金)〜21(木)の間、シモキタ - エキマエ - シネマ『K2』にて公開される。本公開に先駆けた先行試写には、深水元基ら日本映画俳優陣らより推薦コメントも寄せられた。特殊な夢と、ダイバーシティな愛、野放しな自己肯定感が交錯する9人と1匹の群像劇。 「シュール」「ナンセンス」と評されることが多いHORISHIROならではの作風をベースに、アバンギャルド臭ムンムンな美術とVFX技術のマリアージュが、濃い味好きをトリコにする長編作品。【俳優 深水元基氏】なんじゃこの映画は!(中略)登場人物は全員当て書きなのか?みんなハマり過ぎてて、後半は愛おしくて堪らんよ。他コメントは、公式HPにて全文公開中!【監督・脚本・美術を担当する朱池亮人が本作に込めるメッセージ】人はわりと“のようなもの“として“のようなもの“の中でモヤっと生きてるのではないか?カテゴライズや肩書きや地位など、自分を認めてもらえるワードがあれば安心する人々。逆にレッテルを貼られると嫌がる人々。明確にソレに当てはまらないから“なりきれない者“とされる人々。ならば、みんな“のようなもの“でもいいのではないか?とゆー“のようなもの“を讃えるような作品にしたい!と思って作りました。“監督のようなもの” 朱池亮人

チャリティビエンナーレ2023|開催いたします!

2023年8月23日
#校友会 #展覧会 #公募

「チャリティビエンナーレ2023」を以下の日程で開催いたします!募集要項・出品申込書は秋頃公開予定です。 多摩美術大学校友会では、社会貢献と会員の芸術活動支援を目的に、2021 年度から隔年開催の「チャリティビエンナーレ」を開催しています。正会員と学部3年生以上の準会員(在学生)が出品できます。特別価格の小作品を校友会が委託販売し、収益の半分を出品作家に、半分を「奨学金基金」と「社会貢献のための寄付金」に充てています。 ⇒これまでのチャリティビエンナーレ ■展覧会開催概要日程2023年12月10日(日)〜2023年12月24日(日)時間10:00〜19:00(最終日は17:00まで)休廊日月曜日会場FEI ART MUSEUM YOKOHAMA横浜市神奈川区鶴屋町3-33-2 横浜鶴屋町ビル1F ■作品搬入搬入下記1,2のいずれかを選択してください1 直接搬入12月6日(水)11:00〜18:0012月7日(木)11:00〜18:002 業者搬入12月5日(火)11:00〜18:0012月6日(水)11:00〜18:00搬入先多摩美術大学校友会チャリティビエンナーレ事務局横浜市神奈川区鶴屋町3-33-2 横浜鶴屋町ビル1FFEI ART MUSEUM YOKOHAMA 内 ■出品資格下記のいずれかに該当している方が出品できます。□多摩美術大学校友会正会員の方終身会費を納めた多摩帝国美術学校、多摩造形芸術専門学校、多摩美術短期大学、多摩美術大学、多摩美術大学大学院、多摩芸術学園を卒業または修了した方が正会員です。正会員の確認はこちらからお問合せください。□多摩美術大学に在学中で学部3年生以上の方(大学院も含む) ■出品料                                         一般5,000円                    在学生3,000円                              ※今年から出品料が必要となります。※出品料は募集要項記載の振込先で受付けます。 ■チャリティビエンナーレ賞              優れた10作品を選出し、1作品につき3万円(総額30万円)の賞金を授与します。

【特集記事】多摩美校友会×BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN 新城宏明さん クリエイター座談会 後編

2023年8月10日

クリエイターには地方を盛り上げる力がある! 建築士・新城宏明×画家・上田季沙×美術造形作家・前田耕 都心を離れ、神奈川県・三浦半島を拠点に活動する多摩美OB3人。建築士でありシェアオフィサーとして「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を主宰する新城宏明と、そのカフェスペースに勤務する画家・上田季沙。そして三崎に工房を構え、リノベーション事業にも注力している美術造形作家の前田耕。年齢も専門分野も違うけれど、自然につながったという3人で座談会を実施。地方を拠点に活動する面白さを聞かせてくれた。 <前編>はこちら 新城 宏明(Hiroaki Arashiro) 一級建築士、建築デザイナー。ボリビア生まれ、横浜育ち。多摩美術大学造形表現学部デザイン学科スペースコミュニケーションコース卒業。建築の専門学校を卒業し、造作大工として活動した後、3年次編入で多摩美に入学。空間デザインを専攻し、デザインに対する美意識を高める。現在は神奈川県三浦海岸でシェアスペース「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を主宰。自然豊かな環境を拠点とし、クリエイティブの力で街の活性化を企む。 上田 季沙(Kisa Ueda) 神奈川県生まれ、画家。ストリートダンスに没頭していた経緯をもとに、多摩美術大学美術学部版画専攻に在学時より、身近な存在だった音楽にインスピレーションを得た制作「楽雲 -gakumo-」をスタート。主に鉛筆と色鉛筆を使い、音楽には欠かせないリズムや流れを「雲」として落とし込むことに加え、音楽特有の流れのまま「景色」や「生物」なども描きこむ。細密且つ幻想的な唯一無二の作品を生み出している。2024年4月に神奈川県鎌倉市での個展開催が決定。 受賞歴 / 2020「LUXEMBOURG ART PRIZE」芸術功労証書受賞 前田 耕(Koh Maeda) 長崎県生まれ、造形美術作家。多摩美術大学グラフィツクデザイン学科を卒業後、アーティストとして活動し、個展や国際交流展等で数々の作品を発表している。幼いころの”龍踊り”のイメージを根底に、龍を題材とした作品を多く生み出す。大型の作品を手がけることを背景に、神奈川県三崎にアトリエを構える。空き家・空き店舗のリノベーションビジネスを主宰。 僕らがローカルを選ぶワケ。「まちのポテンシャル」 前田:新城くんは「エリアリノベーション」を三浦に来る前から構想していたの? 新城:空き家をリノベーションするような活動がしたいとは思っていました。自分で空き家を購入して、それをシェアハウスにするのもいいですし、何より自分の好きなようにできるというのが楽しそうで。三浦海岸に移住した一つの大きな理由でもあります。 前田:そういう物件は都内にはないからね。やりたいことをイメージできていたからこうやって場づくりもできているわけで。 上田:私は三浦半島に戻ってきてフットワークが軽くなったと思います。 前田:そうさせる“まちのポテンシャル”があるのかも。 新城:三浦海岸は徐々に移住者が増えて、お店も増えています。僕は、そういう方々と一緒にもっとまちを活性化させたいと思っています。さらに言うと、個人的な理想は三浦海岸のビーチをクリエイターが集まって色々クリエイティブなことをしているような“クリエイティブリゾート”にしたいと思っています。 前田:今の若い世代って、センスのいい子が多いんだよね。だから三崎にもいつの間にかオシャレな店が増えている。そういう自然な流れが起きているときだから、いつの間にか誰かと一緒に何かをやっていて、面白くなるとか。そういうのはすごくいいよね。 新城:前田さんはすごいですよね。どこにいても人を集めてしまう(笑) 上田:私は人見知りだし、お酒も飲み歩かない。個人で描く以外にできることがあるとしたら、壁に絵を描くとか…。 前田:僕の場合は上田さんと逆。ほとんど個人で作り上げるものがないんですよ。で、今の話を聞いて、今ちょうど壁画の仕事をしているから手伝ってほしいなぁ、と。 上田:ホントですか? 嬉しい。ぜひお手伝いさせてください。 新城:あはは、こんな感じですよね。知り合って、みんな得意なことをやる感じ。 「面白いことには、人が集まる。」 前田:最近は若い子がアトリエを訪ねて来てくれて、「こういうのやりたいんですけど、どうしたらいいですか」と相談されるようになってきたんだよね。それで、「あぁじゃあやりますか」という風に動き出すことも多い。 新城:やっぱり、「場所を持つ」というのはとても大事ですよね。場所をつくると人に出会える。僕も「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」をつくってよかったと思っています。ただの移住だったらあまり出会えないだろう人たちとも出会えますから。 上田:私は「家で完結させたい」という側面も持っているかもしれない。ギャラリー併設のカフェをオープンさせて、カフェ仕事の合間に絵を描く。そして、地域にアーティストの方がいるのであれば、ギャラリーにはそういう方の絵を展示して、土地に根ざしたギャラリーに育てていけたらいいな、と。 前田:新城くんや上田さんのように「まちに対して何か」というのは正直僕にはあまりないんだ。ただ、移住者が増える傾向にある今、古い町と新しい人、その辺のバランスを上手く取ってまとめながら、面白くしたいな、とは思っています。 前田:僕は今吉祥寺にも家があるんだけど、吉祥寺がちょうどいい感じなんだよね。クリエイターと町の人がちょうどいいくらいのバランスで関係し合っている。町を歩いて、ふらっと入った居酒屋でわちゃわちゃと飲んでいると、割と家族っぽい感じになるんです。下町もあって、新しい店もある。さらに、歩いている人と大体知り合いで。 新城:それは前田さんだから(笑) 前田:かもしれないけれど、町を歩いていて「おー!」みたいに挨拶して「ここ行こうよ!」みたいな流れって楽しいよ。 上田:確かに、新しい人ばかりでは、まちがバランスを崩してしまうのかも。 前田:そういう意味では、三崎は変な変わり方をしなかったかな。なんか昔の田舎のコミュニティーに似ているんですよね。地元の人たちもいて、新しい人たちもいるけれど、地元の人たちは新しい人たちを歓迎してくれている。それで一緒に賑やかにすることを楽しんでいます。 新城:三浦がそうなっていくのはまだちょっと先かなと思います。移住者の方も、まだ大半が都内でお仕事をされている方が多くて。生活地として移住をしている人が多いので、ここを拠点にして何かを…というタイプの人はまだ少ないと感じています。三崎のような空気感ってどうしたら醸成できるんでしょうね。 前田:三崎って特徴のある街だと思っていて。もともとマグロ漁が盛んな港で、昔から外側から来る人がいっぱいいたと思うんです。だから、外から来た人の2世がそのまま三崎に住んでいたりするから、なんか普通の港町の凝り固まった感じとは違うと思うんです。だから今も外から来る人たちを面白がって受け入れてくれる。そういう体質がもともとあるところなんだと思います。 新城:三浦海岸は京急が通っているので、すぐ都心に出られる。だからこそまだ都内で働いている人たちが生活地として選んだりしていると思います。三崎とはちょっと対局な感じかもしれませんね。まちを歩けば自然につながるという期待値は低いかもしれないです。 前田:じゃあそれを、どうするの? 新城:場所づくりですね。外から来る人も、地元の人たちも、気軽に来てもらえるような場所にBAYSIDE SHAREがなれば繋がって行けると考えています。そうすれば、地元の人たちも応援してくれるのかな、と。 上田:十分面白いですよね。都心にいなくても。 前田:都心である必要性ってそもそも俺よく分からないんだけど。特にこの辺りは、2時間あれば東京に出れるじゃない? 上田:そうですね。 前田:だからそもそも東京である意味は?という話になってくるけど、三崎なんて面白いくらい東京の人たちも来ているんだよね。東京・六本木あたりで有名人に会うより、こっちで会う方が確率高い。 新城:クリエイターができることもまだまだあると思うんです。僕がこういうところで場づくりをしていろんな人のコミュニケーションを促したいと思うのもそうですが、地元の人たちがデザインやアートに触れて美意識を高められるような仕掛けをつくりたいとも考えています。 上田:確かに。この辺りはアートとちょっとかけ離れているようなところもあると思うので、絵を描くことしかできない自分は作品を提供して、アートが楽しめる地域づくりのサポートができればいいな。 前田:美大卒って、人を呼べるよね。人を集める力があると思います。単純にね、面白いこと好きじゃないですか。展覧会にしても、「こんなことやってるよ!」とか、そういうのって人が集まる。なんか仕掛けたいと思っちゃうんだろうね。 新城:あー、そうかもしれない。そういう性分なんでしょうね。勝手に動いちゃう。 前田:そう、こんなんだったら面白いよね?って。面白いことには、自然と人が集まる。やっぱり美大卒には人を集める力があるんだと思うよ。 完 第2回卒業生の職場訪問企画では、一級建築士 新城 宏明さんと、画家の上田 季沙さん、造形美術作家の前田 耕さんにお会いしました。次回、第3回卒業生の職場訪問企画もお楽しみに。 vol.1 〜「建築士として空間のポテンシャルを見出し、より高める 多摩美OB主宰の「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を訪問!」〜 vol.2~「美大生時代のような、「楽しい」の感覚を追求する今。三浦海岸にシェアスペースを拓いた、建築士・新城宏明の胸の内。<前編>」~ vol.3~「美大生時代のような、「楽しい」の感覚を追求する今。三浦海岸にシェアスペースを拓いた、建築士・新城宏明の胸の内。<後編>」~ ~多摩美校友会×BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN 新城宏明さん クリエイター座談会 <前編>~ ~多摩美校友会×BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN 新城宏明さん クリエイター座談会 <後編>~

野田秀樹特別ワークショップ|多摩美術大学 演劇舞踊デザイン学科オープンクラス2023

2023年8月7日
#多摩美 #公募

●多摩美術大学 演劇舞踊デザイン学科よりワークショップのお知らせです。多摩美術大学では、2023年度より多摩美術大学の名誉教授に就任された野田秀樹先生の特別ワークショップを開催いたします。野田秀樹先生のワークショップは、俳優たちと演劇表現を試行錯誤する現場です。本学在任中(2008〜2022)に学部の授業として展開してまいりましたそのワークショップを、このたび、在校生にとどまらず、広く学外にも門戸開放いたします。大学と演劇界のプラットフォームとしても機能し得る、多摩美術大学ならではのオープンクラスです。応募締め切りは8月14日です。ご応募をお待ちしています。https://www.sdd.tamabi.ac.jp/nodahidekiws  日程Aクラス2023年9月4日(月)、5日(火)、6日(水)、25(月)、26日(火) 計5回Bクラス2023年9月11日(月)、12日(火)、13日(水)、10月10日(火)、11日(水) 計5回時間各回 18:00〜21:00場所多摩美術大学上野毛キャンパス東京都世田谷区上野毛3-15-34応募締切8月14日(月)必着その他応募資格、応募方法、料金など詳細は、演劇舞踊デザイン学科ホームページをご確認ください。問合せ多摩美術大学 演劇舞踊デザイン学科研究室内 野田秀樹特別ワークショップ事務局Tel:03-3702-1186(平日9:00〜17:00)Mail:tmbndws@gmail.com

芸術活動助成2023|助成対象が決定しました!

2023年8月4日
#校友会 #助成金

選考委員会において、厳正な審査を行い、以下の27件を助成対象として採択しました。※審査の内容はお答えできませんのでご了承ください。 芸術活動助成とは、意欲的に芸術活動に取り組む卒業生・在学生を応援するプログラムです。卒業生または在学生(正会員または準会員)の団体・個人の企画や活動に対し、助成金の給付を行っています。詳細はこちら 企画者名HOCUS POCUS CIRCUS企画名称HOCUS POCUS CIRCUS企画分類展覧会・映像上映・パフォーマンス実施期間2023/8/2〜2023/8/8実施場所HIGURE 17-15 cas(東京都) 企画者名サンシュユ企画名称clear企画分類展覧会実施期間2023/8/10〜2023/8/15実施場所GALLERY HANA SHIMOKITAZAWA(東京都) 企画者名プリントザウルス国際版画交流協会企画名称日本・台湾交流版画展2023〜未来への種子〜企画分類展覧会実施期間2023/8/15〜2023/8/27実施場所FEI ART MUSEUM YOKOHAMA(神奈川県) 企画者名絵画と珈琲企画名称五人展「絵画と珈琲」企画分類展覧会実施期間2023/8/16〜2023/8/21実施場所穏田ギャラリー(東京都) 企画者名彩蘭弥企画名称彩蘭弥展「宇宙(そら)に最も近い深海(うみ)」 -日本画と短歌-企画分類展覧会実施期間2023/8/21〜2023/8/26実施場所ギャラリーQ(東京都) 企画者名One Drop 2023企画名称One Drop 2023企画分類展覧会実施期間2023/8/29〜2023/9/3実施場所好文画廊(東京都) 企画者名アヲォート企画名称演劇ユニット・アヲォート 第一回旗揚げ公演「ウェンディゴ」企画分類公演実施期間2023/9/1〜2023/9/3実施場所上野小劇場(東京都)備考※出演者の罹患に伴い、9月1日,3日の公演は中止となりました。《2023/9/5 追記》 企画者名鍬本雄大企画名称鍬本雄大 個展 -幸福多元論-企画分類展覧会実施期間2023/9/9〜2023/9/24実施場所Detour/デューター(東京都) 企画者名fatrripm企画名称たびするはたけ第8の蒔き『ね、まとい、ひらり。』企画分類パフォーマンス実施期間2023/9/23〜9/24・2023/10/1〜10/2実施場所パン食堂まほろば(長野県)・roji/リベルテ(長野県) 企画者名boundary / 境界企画名称境界企画分類展覧会実施期間2023/9/26〜2023/10/1実施場所目黒区美術館 B面(東京都) 企画者名◇◇◇企画名称◇◇◇企画分類展覧会実施期間2023/10/1〜2023/10/8実施場所DEN+(東京都) 企画者名PRESS企画名称PRESS企画分類展覧会・ワークショップ実施期間2023/10/1〜2023/10/9実施場所小杉画廊(神奈川県) 企画者名妖精大図鑑企画名称妖精大図鑑 無関係のジョバンニ企画分類公演・パフォーマンス実施期間2023/10/13〜2023/10/15実施場所吉祥寺シアター(東京都) 企画者名多摩美リサイクルプロジェクト企画名称「制作で持て余した素材ってどうしてる?」美術とリサイクルの話をしよう企画分類展覧会・講演会実施期間2023/10/14〜10/15実施場所THE A.I.R BUILDING(東京都)備考※諸事情により企画中止《2023/10/10 追記》 企画者名蓮尾佳由企画名称drawing展企画分類展覧会・ワークショップ実施期間2023/10/28〜2023/11/27実施場所由布院駅アートホール(大分県) 企画者名横浜ーテキサス国際交流展実行委員会企画名称Crosscurrent Yokohama ー Texas Exchange 2023企画分類展覧会実施期間2023/10/28〜2024/2/3実施場所Wichita Falls Museum of Art(アメリカ) 企画者名岩本麻桜企画名称祖母と孫の俳句・版画 〜言葉の色・色の言葉〜企画分類展覧会実施期間2023/11/1〜2023/12/3実施場所お食事処天小屋ギャラリー(静岡県) 企画者名緑と道の美術展出品作家実行委員会企画名称黒川里山アートプロジェクト・緑と道の美術展in黒川2023企画分類展覧会実施期間2023/11/1〜2023/11/30実施場所川崎市黒川地区(神奈川県) 企画者名Super Open Studio NETWORK企画名称SUPER OPEN STUDIO 2023 -10th Anniv.-企画分類展覧会・出版・パフォーマンス・ワークショップ・スタジオ公開・ラジオ番組実施期間2023/11/11〜2023/11/19実施場所アートラボはしもと及び相模原地域の複数スタジオ(神奈川県) 企画者名ANEMOI企画名称ANEMOI2023企画分類展覧会実施期間2023/11/17〜2023/11/19実施場所Cloud Nine Gallery(東京都) 企画者名ヴェイパーヴェイヴ展企画名称ヴェイパーヴェイヴ展カムバック企画分類展覧会実施期間2023/11/11〜2023/11/12実施場所東京ビックサイト(東京都) 企画者名転転飯店企画名称転転飯店 第2回 持続可能なコント公演 『リンリンシャンシャンカイホウ』企画分類映像上映・公演・パフォーマンス・発表会実施期間2023/12/2〜2023/12/3実施場所スタジオ空洞(東京都) 企画者名石塚絢子企画名称木口木版画作品展企画分類展覧会実施期間2023/12/14〜2023/12/16実施場所ミルクホール鎌倉(神奈川県) 企画者名坂本理恵/河野雅一/有留颯紀/小笠原勇人企画名称The other企画分類展覧会実施期間2024/1/13〜2024/1/20実施場所多摩美術大学TUB(東京都) 企画者名ちゃかほい会企画名称第12回ちゃかほい展企画分類展覧会・映像上映実施期間2024/1/18〜2024/1/23実施場所ギャラリー大和田(東京都) 企画者名くじらの眼企画名称みて、へんぐボthがいるよ2(仮)企画分類展覧会実施期間2024/1/20〜2024/2/3実施場所Hello Bee(東京都)備考※諸事情により企画中止《2024/1/10 追記》 企画者名劇団ネモノ会企画名称劇団ネモノ会第3回公演『J・A・C・K』企画分類公演・パフォーマンス実施期間2024/2/15〜2024/2/18実施場所千本桜ホール(東京都)

【特集記事】多摩美校友会×BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN 新城宏明さん クリエイター座談会 前編

2023年8月3日

クリエイターには地方を盛り上げる力がある! 建築士・新城宏明×画家・上田季沙×美術造形作家・前田耕 都心を離れ、神奈川県・三浦半島を拠点に活動する多摩美OB3人。建築士でありシェアオフィサーとして「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を主宰する新城宏明と、そのカフェスペースに勤務する画家・上田季沙。そして三崎に工房を構え、リノベーション事業にも注力している美術造形作家の前田耕。年齢も専門分野も違うけれど、自然につながったという3人で座談会を実施。地方を拠点に活動する面白さを聞かせてくれた。 新城 宏明(Hiroaki Arashiro) 一級建築士、建築デザイナー。ボリビア生まれ、横浜育ち。多摩美術大学造形表現学部デザイン学科スペースコミュニケーションコース卒業。建築の専門学校を卒業し、造作大工として活動した後、3年次編入で多摩美に入学。空間デザインを専攻し、デザインに対する美意識を高める。現在は神奈川県三浦海岸でシェアスペース「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を主宰。自然豊かな環境を拠点とし、クリエイティブの力で街の活性化を企む。 上田 季沙(Kisa Ueda) 神奈川県生まれ、画家。ストリートダンスに没頭していた経緯をもとに、多摩美術大学美術学部版画専攻に在学時より、身近な存在だった音楽にインスピレーションを得た制作「楽雲 -gakumo-」をスタート。主に鉛筆と色鉛筆を使い、音楽には欠かせないリズムや流れを「雲」として落とし込むことに加え、音楽特有の流れのまま「景色」や「生物」なども描きこむ。細密且つ幻想的な唯一無二の作品を生み出している。2024年4月に神奈川県鎌倉市での個展開催が決定。 受賞歴 / 2020「LUXEMBOURG ART PRIZE」芸術功労証書受賞 前田 耕(Koh Maeda) 長崎県生まれ、造形美術作家。多摩美術大学グラフィツクデザイン学科を卒業後、アーティストとして活動し、個展や国際交流展等で数々の作品を発表している。幼いころの”龍踊り”のイメージを根底に、龍を題材とした作品を多く生み出す。大型の作品を手がけることを背景に、神奈川県三崎にアトリエを構える。空き家・空き店舗のリノベーションビジネスを主宰。 どこにいても惹き合う個性。 「必然的な、地方移住」 新城:こうして、腰を据えて3人で話すのは初めてですね。 前田:そうね。新城くんと僕は何度か飲んで話しているけど。 上田:私はここのカフェでアルバイトをしながら絵を描いている人間です。もともと生まれが横須賀なので、Uターンに近い感じです。 前田:僕は三崎にアトリエがあるんだけど、たまたま知り合いのアーティストが使っていた場所が空いて、使い手を探しているというので貰い受けたという流れ。空間が広いところを探していたので丁度良かったのと、出身が長崎だったので、空気が似ていると感じて割と即答で決めた感じだったかな。 新城 僕が三浦半島に来た理由は、コワーキングスペースを海沿いに作りたいと思ったことがきっかけ。クリエイターが集まれるような場所を作りたいと思っていて、探し始めたらたまたま三浦海岸にいい場所があったので。 前田:それで、友人に新城君を紹介されたんだったね。僕は作品制作以外にリノベーション関係の仕事もしているんだけど、「三浦に設計できる人がいますよ」と友人に教えてもらって。 新城:お会いできて良かったです。前田さんが三崎にシェア工房のようなものを作りたいと仰っていたのを聞いて、僕も携わらせていただきたいと思いました。 上田:シェア工房、ですか? 前田:そうそう。そのリノベーション関連の仕事の方で、会社を設立しているんだけど、その会社で結構大型の加工機を導入したんですよ。その加工機を使えば大型のパネル装なんかもできる。仕事で使っているだけではもったいないから、近くにクリエイターがいるなら、みんなで使えるようにしちゃおうかなーみたいな気軽な感じのやつ。 新城:前田さん個人の仕事がベースにありつつ、誰でも気軽に使わせてもらえるというのはとても有難いですよね。 上田:へえー!私の場合、絵を描くことは“自分との勝負”というか、個人行動的な側面が大きいと思っているのですが、そうやって誰かと繋がりながら活動するというのには興味があります。 前田さんは三崎に来られてどのくらい経つのですか? 前田:10年ちょっとですね。僕の場合は個人の製作にしろ何にしろ、空間がどうしても必要だった。都心でそれを構えるとなると費用面でも随分かかるし、そもそもなかなか物件として十分な場所がない。三崎には十分な空間がありつつ、それでいて都心にも出やすい利便性もある。空気もいいし、人も面白い。最近、移住者が本当に増えたと思うよ。 新城:僕も、移住者ですしね。僕の場合は昔から海辺で生活をするというのがちょっとした憧れで(笑)。三浦に来て2年で、今はまだ自分の仕事が大半という状況ですが、こういう場所でデザインとかクリエイターの人とコラボしながら何かできたら楽しいだろうな、とずっと思っています。 前田:移住する人って、それなりにいい意味で変わった人が多い気がするんだよね。それで結局ね、移住者同士で「こっちに来て何年?」みたいな会話になる。ほら、今みたいに(笑)。 「“なんか面白くなる”の予感」 前田:だいたい町をうろうろしているのって、移住者ばっかりじゃない? 新城:確かに、飲み歩きしていますよね。特に、三崎の人たち。 前田:そうそう、三崎は飲み屋も多いから(笑) 新城:僕が「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」でお酒を飲めるようにしたというのも、いろんな人にふらっと来てもらいたいという意図がありました。そういうコミュニティーの場になれたらいいな、と思いながら運営しています。三崎と比較すると、移住者は三浦海岸エリアにはまだ少ないのですが、これから増えていくんじゃないかな、と思っています。 前田:そうね。今って、だいぶ考え方が変わってきていて、古い建物だし小さいかもしれないけれど、ちょっとリノベして自然豊かなこっちに住もうかな…という価値観を持つ人がやっぱり増えている。それもあって、僕はリノベを仕事にしちゃおうと思ったんですよ。 新城:耕さんのリノベはちょっと普通のリノベじゃない(笑)。まず、耕さんのアトリエが凄い。美大生の憧れが全部詰まったみたいな場所だなと思いました。 前田さんのアトリエ写真 前田さんのアトリエ写真 前田:ふふ、ありがとう。うちのアトリエはボロボロなんだけど、なんかちょっとした観光地化しているんだよね(笑) 最近は、ちょっと遊びがある感じのリノベをほしがっている人たちが多いんですよ。趣味色が凄い強い感じの。かといって一から作るというより、既存する建物のポテンシャルを活かしてお金かけずにセンス良くやりたいなという子が増えた。そこで僕のような人間の出番があったわけです。 上田:私、今住んでいる家を将来的にカフェ兼ギャラリーにしようと思っていて。そのために今ここでアルバイトをしてお金をためているんです。だから、前田さんの仰るニーズがすごく分かるなぁと思いました。 前田:いつでもお待ちしています。お金をかけずにやりますから(笑) 新城:こういうのがいいんですよね。自分の理想を追っているクリエイターが自然に繋がっていくような。僕は、「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」をそういうコミュニティーの場としたい。ここを拠点に、三浦海岸をエリアリノベーションしていくという楽しみがあります。 前田: そう。だから“なんかやってる人たち”が自然な流れで一緒に色々やって、“なんか面白くなる”とか。それが地方のすごくいいところなんじゃないかなと思うよね。 新城:僕はコロナの年に三浦に移住してきましたが、翌年にはコロナも収まるだろうと思っていました。けれど全然収束せず、「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」は大変な状況が続いた。でも2023年に入り、やっと人の動きも活発になってきた様子をみていると、これからが楽しみだなと思っています。 vol.1 〜「建築士として空間のポテンシャルを見出し、より高める 多摩美OB主宰の「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を訪問!」〜 vol.2~「美大生時代のような、「楽しい」の感覚を追求する今。三浦海岸にシェアスペースを拓いた、建築士・新城宏明の胸の内。<前編>」~ vol.3~「美大生時代のような、「楽しい」の感覚を追求する今。三浦海岸にシェアスペースを拓いた、建築士・新城宏明の胸の内。<後編>」~ ~多摩美校友会×BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN 新城宏明さん クリエイター座談会 <前編>~ ~多摩美校友会×BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN 新城宏明さん クリエイター座談会 <後編>~

【特集記事】第2回 卒業生の職場訪問 新城宏明さん(BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN)vol.3

2023年7月27日

美大生時代のような、「楽しい」の感覚を追求する今。三浦海岸にシェアスペースを拓いた、建築士・新城宏明の胸の内。<後編> コロナ禍に神奈川県三浦海岸に移住し、シェアスペース「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を開業した一級建築士・新城宏明。三浦海岸を拠点に、「エリアリノベーション」に走り出した新城が、建築業界を目指したきっかけや美大で得たもの、これからのものづくりについて聞かせてくれた。 新城 宏明(Hiroaki Arashiro) 一級建築士、建築デザイナー。ボリビア生まれ、横浜育ち。多摩美術大学造形表現学部デザイン学科スペースコミュニケーションコース卒業。建築の専門学校を卒業し、造作大工として活動した後、3年次編入で多摩美に入学。空間デザインを専攻し、デザインに対する美意識を高める。現在は神奈川県三浦海岸でシェアスペース「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を主宰。自然豊かな環境を拠点とし、クリエイティブの力で街の活性化を企む。 <前編>はこちら 「みんなでつくる」が、おもしろくて。建築+αの実践へ 美大で学びながら建築士を志していた時代から、漠然と「独立」の目標を掲げていました。その理由の一つに、いろんな能力を持った仲間たちとものづくりをしたいという思いがありました。 とはいえ、自分自身が急に何かができるわけではありませんから、最初は住宅設計事務所や店舗設計施工事務所に勤めました。その後、縁があって多摩美のデザイン学科へ副手として戻り、デザイン学科教授(現在環境デザイン学科教授)の堀内正弘先生の元でシェアスペースやコミュニティーの作り方を学ぶ機会をいただき、場づくりに興味を持つようになりました。 一級建築士の資格を取得し、個人で本格的に活動を始めると、僕自身コワーキングスペースで作業することが増えていき「海沿いでテレワークをしたい」と思うようになりました。それで場所を探したのですが、意外と無く。コロナウイルスによる行動制限が転機となり、テレワークが世の中にも浸透し始めたのを感じると、海沿いのシェアスペースを作ろうと決意しました。 そうしてオープンしたのが「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」。物件探しに始まり、設計も自分で行なっています。その為、自分が欲しかった空間になっていますね。看板やロゴデザインは多摩美時代の友人に手伝ってもらいました。 誰かのルーティーンの中に存在する場所 「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」はシェアオフィスとカフェ、夜はバー営業をする複合施設。都心のワークライフスタイルを三浦海岸に持ち込んだというか、仕事を終えてアフターファイブ的な感じでお気に入りの店で一杯飲んで、常連さんとの会話を楽しむというようなライフスタイルをここでもできるようにしたいと思いました。昼はオニバスコーヒーの豆で入れたカフェラテを飲みながら仕事をして、頭が疲れてきたら海岸を散歩して、夕方にはデッキでビールを飲みながら夕焼けを見て、その日の仕事を終える。その後はバーでお酒を飲みながらコミュニティーの輪を広げる…。こんな風に一日過ごしてもらえたら嬉しいですね。 オープンして2年。さまざまな業種の方が利用してくださるようになりました。その人たちが繋がって、仕事が生まれることもあるようです。 私は建築士として空間の概念を学ぶと同時に、コミュニティーづくりの考え方を多摩美時代に学びました。それは今、シェアオフィサーとしての場のつくり方という点でとても活きていると感じますね。 先生がよく、「街に美味しいカフェラテを出すお店があると、その街は良くなる」と仰っていたことを思い出しましたが、そういえば、いつのまにかうちもやっています。 外国人の常連の方などは、毎朝必ずカフェラテを飲みにきてくれて、ちょっと喋って仕事にいく。そういうのはいいですよね。彼のルーティーンの中にうちがあることも嬉しいですし、彼の中に毎朝カフェラテを一杯飲むというリズムがあることも素晴らしいと思います。 美大卒の建築士 多摩美に通い、何より良かったのは視野が広がったこと。あとは、デザインをやっている仲間たちにたくさん会えたことですね。その仲間たちというのが、みんな本当に自分の好きなことをしている。私もそこに入って、個人的な理想を追求し続けられたらいいなと思うようになりました。 自分がシェアスペースをつくりたいと思った背景にも、多摩美の学生時代が楽しかったことが大きく影響していると思います。みんなで集まりながら、できる分野で手を動かして何かをつくるような、学園祭のようなことをずっとやっていたい。それが今に繋がっていると思います。 三浦海岸に移住して、シェアスペースをつくって思うことは、三浦海岸って面白い街だということ。活性化を掲げたらいろんな人が関わってくれると考えています。そうすると、それぞれがワイワイとできる分野で力を出し合って、それこそ学園祭みたいなことができるかもしれないですよね。「エリアリノベーション」という観点からも、いろんな店舗やイベントがあることは理想。そういうことを徐々に進めていくことが今の私の目標。「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」がその拠点になってほしいと考えています。 近年はUターンやIターンが増え、地元や地方に移り住む人も増えています。そんな風に自分で価値を見出せる場所を見つけて、地域活性化に取り組むのも面白いですよね。最初はひとりかもしれませんが、仲間を見つけて、ITやDXの力を借りて、少しずつコミュニティーの輪を広げていけばいい。そこにアートやデザインを絡めて、地方から世の中の美意識を高めることができたら、それは多摩美で学んだ人間だからこそ出来る事だと思います。 vol.1 〜「建築士として空間のポテンシャルを見出し、より高める 多摩美OB主宰の「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を訪問!」〜 vol.2~「美大生時代のような、「楽しい」の感覚を追求する今。三浦海岸にシェアスペースを拓いた、建築士・新城宏明の胸の内。<前編>」~ vol.3~「美大生時代のような、「楽しい」の感覚を追求する今。三浦海岸にシェアスペースを拓いた、建築士・新城宏明の胸の内。<後編>」~ ~多摩美校友会×BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN 新城宏明さん クリエイター座談会 <前編>~

【特集記事】第2回 卒業生の職場訪問 新城宏明さん(BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN)vol.2

2023年7月20日

美大生時代のような、「楽しい」の感覚を追求する今。三浦海岸にシェアスペースを拓いた、建築士・新城宏明の胸の内。<前編> コロナ禍に神奈川県三浦海岸に移住し、シェアスペース「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を開業した一級建築士・新城宏明。三浦海岸を拠点に、「エリアリノベーション」に走り出した新城が、建築業界を目指したきっかけや美大で得たもの、これからのものづくりについて聞かせてくれた。 新城 宏明(Hiroaki Arashiro) 一級建築士、建築デザイナー。ボリビア生まれ、横浜育ち。多摩美術大学造形表現学部デザイン学科スペースコミュニケーションコース卒業。建築の専門学校を卒業し、造作大工として活動した後、3年次編入で多摩美に入学。空間デザインを専攻し、デザインに対する美意識を高める。現在は神奈川県三浦海岸でシェアスペース「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を主宰。自然豊かな環境を拠点とし、クリエイティブの力で街の活性化を企む。 美大はコミュニケーション。 ボリビア生まれ横浜育ち、建築家を志す 私はボリビアの日本人村・コロニア沖縄で生まれ、小学校の時に横浜に引っ越してきました。ボリビアには祖父の代で戦後移民として渡ったと聞いています。私の父と母はそこで出会ったそうです。今も父はボリビアにいて、牧場を経営しています。 幼少期を過ごしたのはボリビアの中でもだいぶ田舎。とても自然豊かな場所だったので、私は木登りをしているような少年でした。そのあとに引っ越した街はボリビアの中でも都心の方で、ヨーロッパのような街並み。スペイン領だったこともあり、西洋風の建物が並んでいたことを覚えています。私は田舎と都会の両方の暮らしをボリビアの中で経験しましたね。 ボリビアの家の庭にて 両親が帰国を決め、私は6歳の時に日本に来ました。最初は日本語が話せませんでしたが、今ではスペイン語がすっかり話せません(笑)。小中高と横浜の学校で学び、高校を卒業した後は家業を手伝いながら「これから自分が何をしたいか」を考えることに。悩んでいると、建築を勧めてくれたのは先に建築を学んでいた兄でした。 『建築家たちの20代』 建築に興味を持った私は、まずは建築物を見るために京都へ行きました。その旅の最中に読んでいたのが『建築家たちの20代』という本。建築家を志したきっかけは、この本の影響も大きいです。 建築における「美意識」の向上を求めて 建築家になるためにまずは建築の専門学校を卒業し、造作大工として働きました。自分の手でものを作ることの楽しさを知ったのはこのときだったと思います。 建築に携わっていると、次第に「美意識をもっと高めたい」と思うようになり3年次編入で多摩美術大学造形表現学部デザイン学科スペースコミュニケーションコースに編入しました。 多摩美では専門学校とは違う、少しアートよりなことを学びました。建築のマニアックな部分を勉強した後に、多摩美では「もう少し自由な発想で、自分の理想を追求する」というようなデザインを学んだと思います。 新城学生時代 多摩美デザイン学科の同級生には卒業後、ウィンドウ・デザインや空間デザイナー、空間のブランディングに携わっている仲間がいます。自分の場合は建築の専門学校を卒業していましたので、3年の実務経験を加えれば資格を受験できるという状態になっていました。 多摩美では建築やインテリアを勉強しつつ、周りの別のデザインのことにも触れられたのがとても良かったと思っています。また、美大で掴んだもっとも大きなことは、周りの人から影響を受けることだと思っています。 専門領域を突き詰めながら、さまざまなデザインに触れられる良い環境。私自身、空間デザインからコミュニケーションデザインまで幅広く学びました。そのおかげで「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を作ることができたと思っています。 自分の分野以外も意識して、可能な限り他分野にも触れる。その中で、他分野の仲間が増えていく感じもすごく楽しかった。結果として、自分の視野が大きく広がったと思っています。美大には自由に好きなことを追求する学生や、さまざまな活動を経験されてきた先生がいます。周囲に「オモシロい人」がたくさんいるのはオモシロいですよね。 vol.1 〜「建築士として空間のポテンシャルを見出し、より高める 多摩美OB主宰の「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を訪問!」〜 vol.2~「美大生時代のような、「楽しい」の感覚を追求する今。三浦海岸にシェアスペースを拓いた、建築士・新城宏明の胸の内。<前編>」~ vol.3~「美大生時代のような、「楽しい」の感覚を追求する今。三浦海岸にシェアスペースを拓いた、建築士・新城宏明の胸の内。<後編>」~

【特集記事】第2回 卒業生の職場訪問 新城宏明さん(BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN)vol.1

2023年7月13日

「建築士として空間のポテンシャルを見出し、より高める」 多摩美OB主宰の「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を訪問! 神奈川県三浦市にあるシェアスペース「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を運営する一級建築士・新城宏明。新城自身が設計デザインした「BAYSIDE SHARE」は、三浦半島のクリエイターやフリーランサーが行き交う“オモシロい人々のるつぼ”となりつつある。今回、取材陣は2021年4月にオープンした「BAYSIDE SHARE」を訪問した。 新城 宏明(Hiroaki Arashiro) 一級建築士、建築デザイナー。ボリビア生まれ、横浜育ち。多摩美術大学造形表現学部デザイン学科スペースコミュニケーションコース卒業。建築の専門学校を卒業し、造作大工として活動した後、3年次編入で多摩美に入学。空間デザインを専攻し、デザインに対する美意識を高める。現在は神奈川県三浦海岸でシェアスペース「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」を主宰。自然豊かな環境を拠点とし、クリエイティブの力で街の活性化を企む。 https://youtu.be/InW_dJd8aDI 海沿いのシェアスペース 「BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN」は2021年4月に誕生した海を望むカフェ&コワーキングスペース。運営するのは、多摩美OBの一級建築士・新城宏明だ。 建築の専門学校を卒業して造作大工として経験を重ねていくうち、「もっと美意識を高めたい」と多摩美のデザイン学科(空間系)に編入した新城。多摩美術大学造形表現学部デザイン学科スペースコミュニケーションコースを卒業後、数年の設計事務所勤務を経て設計士として独立した。 「独立した当時、僕自身がコワーキングスペースでよく作業をしていました。主に都心のコワーキングを利用していましたが、『海沿いなどのロケーションの良いところでテレワークできたらいいな』と漠然と思っていました。 けれど、そういう場所を探してみるとなかなかないんです。コロナ禍にテレワークが世の中に浸透すると、『自然豊かな環境に移住する方も増えるだろう』ということを予測し、作った場所がコワーキングスペースやカフェ、自分の設計事務所などが入る複合施設『BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN』です。海沿いに作ろうと、海沿いの物件探しから始めました」 デザイナーやクリエイターが自由に集まることができたり、一緒にもの作りをしたりできるクリエイティブコミュニティースペースを作るというのは、新城の多摩美学生時代からの夢だったという。 建築士として、空間のポテンシャルを見出す 物件探しはGOOGLE MAPのストリートビューで。 「名古屋の方から神奈川の海沿いまで、すごく広い範囲で検索しました。ずっと、海を見ずに反対側の建物ばかりを見ていると、正面に海を臨む物件に賃貸看板が掲げられているのが目に留まり、すぐに問い合わせました。内見をして、ほぼ即決でした」 『BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN』は、もともと漁業組合の事務所兼倉庫として利用されていた鉄筋コンクリート造の建物をリノベーションした空間。新城自身が設計デザインを担当している。 「もともとは海側の窓がすりガラスだったので、そこが抜けたら海を一望できるな、とフィックスガラスにすることを最初に考えました。働きながら、海を眺められるという環境をどうしても作りたかったんです。窓を交換させてほしいこと、新たにウッドデッキを作らせてほしいことなどを交渉し、カフェやワークスペースのレイアウトを決めていきました。これほどの広さがあって、海を目の前に臨む絶好のロケーション。ここを見つけた時は、建築士としてこの場の価値を見出した気がしました。 そこからは空間のポテンシャルを上手に活かすのがキモです。建物をすべてスケルトンにして空間を再構築。内装は予算をかけずにラフな仕上げとし、あらわにした躯体を活かすようなデザインにしました。カフェスペースは白い壁、コワーキングスペースはグレーを採用し、光の反射が作業を邪魔しないように考えています」 コワーキングスペースには海を望める席があるほか、仕事の合間にくつろげる小上がりの和室空間や、オンライン会議のほか、メイクアップスペースとしての利用実績もあるという個室が備わる。 「僕は大工経験もある人間なので、図面を引くだけでなく自分の手を動かしてものを作るのも好き。設計をする上でも、手作りできる要素を必ず取り入れています。『BAYSIDE SHARE』でいえば、テーブル。このテーブルは杉の一枚板をバーナーで炙って炭化させ、樹脂コーティングを施してデザイン性をもたせました。やっぱり、自分で好きなように作るのは楽しいです」 人のつながりが、新たなクリエイティブを作る 『BAYSIDE SHARE』は新城自身が都心でシェアオフィスを利用していた経験を基盤とした、リアルなライフスタイルイメージが空間を構成。仕事、軽食とコーヒー、そして仕事終わりのアルコール。オープンして2年、常連同士の協働も生まれはじめている。 「オフィスとカフェ、夜はバー。個人的には理想的な環境を創り上げることができたと思っています。オニバスコーヒーの豆で入れた美味しいカフェラテを飲みながら仕事をして、疲れたら浜辺を散歩して、夕焼けの頃にはデッキでビールを飲みながら、良い気分で一日の仕事を終える。その後はバー営業に切り替わったカフェスペースでコミュニティーの輪を広げる…。都心でのスタイルにあるような、ワークライフスタイルを『BAYSIDE SHARE』でも可能にしています。ようやく地元の人の利用も増え、『BAYSIDE SHARE』は目立つ存在になってきてきたかな。 人が集まる場の面白さというのは、僕が多摩美の学生時代から感じていたことです。いろんな人が関わってくれることで、学園祭みたいに楽しみながらものづくりができると思うんですよね。いろんな個性を持った人たちが集まって、みんな自分にできる分野で力を発揮する。そういうのは将来的に街の活性化につながると考えています。 三浦海岸はこれからどんどん面白くなっていくと思う。今年の夏は3年ぶりに花火大会も開催される予定ですし、海の家も新しくなります。僕にとってもチャンスですよね。街が動き出そうとしている時だから、僕も積極的に関与していきたい。シェアオフィサーとして場所や機会を作ることはもちろん、建築士としてもできることはたくさんあると思います。」 「エリアリノベーション」という言葉を掲げ、場づくり、きっかけづくり、そしてあらゆる出会いによるクリエイティブな化学変化を探る新城。美大卒、そして設計士・建築士でありながら、シェアオフィサー。いくつもの肩書きをホッピングして自身の役割を広げる彼のような人物こそ街を目覚めさせる起爆剤となるのだろう。 『BAYSIDE SHARE MIURAKAIGAN』。ひとつの建物の存在が、街の様子を大きく変えるかもしれない。 vol.2 〜「美大生時代のような、「楽しい」の感覚を追求する今。三浦海岸にシェアスペースを拓いた、建築士・新城宏明の胸の内。<前編>」〜